こういうコンセプトすごいささる。濃い旨ワイン。その土地のテロワールをとか、その地域や品種の個性をだとか、そういう縛りは取っ払って、うまいワインを作るために各国から選び抜いて作る。土地も品種も製法も、型にとらわれずに自由にやる。伝統的なヨーロッパスタイルとはまるで真逆。法律でがちがちに縛られていない新世界だからこそできる探求ワイン。いいね。
カリフォルニア、アルゼンチン、スペイン、チリから濃厚で力強い品種を選別してブレンド。カリフォルニアからはジンファンデル。アルゼンチンからはマルベック。スペインからはテンプラニーリョ。ほかカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、プティ・ヴェルド。
濃厚品種が7品種もブレンドされているので、飲み始めから最後まで常に変化する味わいを楽しめるんだとか。説明文読むと非常に興味をそそられる。
価格も庶民価格なのでうれしい。このダークホースシリーズ、ほかにもピノ・ノワールやシャルドネがあるのでひととおり制覇したくなるね。
自分は安い重めの赤は苦手な傾向がある。ボルドースタイルのワインはEランク(好みじゃない)をつけることが多かった。「驚きの濃い「旨」ワイン」というキャッチフレーズらしいがはたして…
ワイン情報
項目 | 説明 |
---|---|
ワイン名 | ダークホース レッド ブレンド |
飲んだ日 | 2024/6/29 |
参考価格 | ¥1500 |
購入価格 | ¥1020(Amazonスマイルセール) |
購入元 | Amazon |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック、テンプラニーリョ、シラー、メルロ、プティ・ヴェルド、ジンファンデル |
タイプ | 赤 |
分類 | 濃厚&パワフル系 |
生産者 | ベス リストン |
生産地 | アメリカ >カリフォルニア |
女性ワインメーカーであるベス リストンは、型にはまらない発想で自分の理想とするワインのスタイルを実現させ続けています。
独創的な発想により造られた“濃くて“旨い高品質なワインを、一人でも多くの人に楽しんでもらいたい一心で「ダークホース」は誕生しました。
甘さを感じさせる濃縮した果実味、油脂分を包み込む豊かなコク、ほのかなスパイスのアクセントが特長的。
豚カツや唐揚げ、ステーキやピザ、餃子や焼豚など和洋中に合わせられる万能さが魅力の“濃い旨赤ワインです。
多産地・多品種のブレンドによって、飲み始めから飲み終わりまで常に変化する味わいや、食事との相性で変化する表情が楽しめる赤ワインです。
感想
ファーストインプレッションは、野性的で力強い香り。たぶんソムリエ的には、カシス・黒コショウ・ブラックベリーなんて表現するにちがいない。王道のがっしり骨太ワインって感じ。
スワリングしてみるとほのかに甘い要素もあるな。ソムリエ的にはシナモンって表現するに違いない。
飲んでみると、やはり王道。歯茎がきしむようなタンニンの渋みがたっぷり。辛口で重くて少しスパイシー。
飲みこんだ後にざらついたタンニンが後を残す。ほんの少しだけ甘味がふわっと広がる。
典型的ながっしりワイン。キャッチフレーズにあるような驚きは今のところない。
赤ワインは濃い料理とあわせるべし。料理とあわせてなんぼだね。白や泡は単体でもいけるけど、赤は料理とあわせることでそのポテンシャルを引き出す。それも、赤の力強さに負けない味付けの濃い料理。そういう意味では日本庶民にとって選択肢が狭まってしまうんだよなぁ。
二日目がおいしい。いや、ふつかめというより後半戦はおいしい、なのかもしれない。
最初は典型的なボルドースタイルっぽく骨太で渋みたっぷりのフルボディタイプ。飲み進めていくうちに、渋みが和らぎ、代わりにわかりやすいほど濃い果実身がどおんと主張してくるミディアムボディに。濃厚なパワフル系。キャッチフレーズにあるとおり、この濃さは驚き。
正直1日目の評価はCランク。コノスル ビシクレタカベルネ・ソーヴィニヨンと何が違うのって思ってた。けど二日目は、価格に見合うおいしさを発揮してくれた。たしかにこれは濃くて甘味のある旨いワインだ。
どんどん果実味がむんむんに香り立つ、甘味爆発系になってくるので、いわゆるしぶいフルボディを期待している人にとっては苦手なタイプかもしれない。濃いといっても渋佐的な濃さではなく、果実的な濃さだったんだね。
ペアリング
濃いことをうたっているなら、料理も濃いものを。
ということで、プル語義ピザトースト。ニンニクをがっつりきかせて作ったら、たっぷりのチーズと一緒にパンにのせて焼き上げる。
もうこれね、美味しすぎた。プル語義ピザトーストを食べたあとに、ワインを一口。油脂分をつつみこみワインの角がとれてまろやかに。組み合わさることで相乗効果。何倍でも何枚でもいける。アンパンに牛乳のように、ベストパートナー。
気が付いたらけっこうハイペースで1/3近くワイン飲んでしまってて、けっこう酔ってしまった。まさか重めの赤をこんなにするする飲んでしまうとは。ワイン単体の評価というより、料理との組み合わせの力は絶大だ。
濃い料理と合わせたときの愛称は最高レベル。型にはまったとき、最強のマリアージュになるのが赤の魅力。ということに気が付いた。
続いては、豚肩ロースの赤ワインソース。豚肩ロースはうまみを閉じ込め、ワインソースがからみやすくするため小麦粉をまぶしてからさっと焼く。ニンニクと玉ねぎを炒めたら、たっぷりの赤ワイン(箱ワイン消費かねて)を加えて煮詰めたら醤油とバターを溶かす。
結論、プルコギピザトーストのほうが相性が良かった。肉にはかならず赤が嗜好というわけではないということか。赤ワインソースが酸味ゆたかでさっぱりしていて、フルボディのダークホースに押し巻けていた印象。プルコギピザトーストのほうががっつり濃くてベストマリアージュだった。
二日目はワインがまろやかになったことで、合わせる料理の範囲が一気に広がった。
ゆでた豚肉と焼きナスをさっぱりネギだれでからめた料理と。無難にいける。さっぱり系でもワインに塗りつぶされることなくお互いを尊重しあえるほどの距離感を保っている。
卵掛けニンニク味噌ご飯もいけるよ。ご飯単体だとワインに合わない。でも卵をかけることで、触感をなめらかまろやかにしてワインとのつなぎにする。そこにがっつり濃いニンニク味噌を加えれば、ワインと合わせられる。まあマリアージュとまではいかないけど、無難においしい組み合わせにはなる。
評価
ダークホース、本当に濃くて驚いた。わかりやすい。シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、それにロゼもラインナップしているので全制覇したくなった。興味ある。特にシャルドネ。濃くてわかりやすいシャルドネ。好みど真ん中の予感。